日本の戦略的責務 - 不確実性の克服

中核原則:自律性と反発力

まず私達、日本人が肝に銘じて置かなければならないことは「米国と中国はどちらも信頼できる国ではない」、「米国は欺瞞と裏切り、そして戦争好きの国であり、中国は侵略と征服しか行って来なかった国」という事実を常に念頭においてつきあうべき国々である。

日本にとって最優先の戦略目標は、自らの自律性を最大限に高め、外的ショックに対するレジリエンス(反発力)を構築することである。これは、安全保障や経済の繁栄における特定の国への依存を減らすことを意味する。日本は大国間のゲーム(代理戦争)の駒となる余裕はない。

1. 自衛能力の強化

私見

対外的な安全保障に対する信頼が低下していることを踏まえ、日本は自衛能力を大幅に強化する必要がある。これは積極的な軍事化への動きではなく、むしろ自己保存のための必要な投資として解釈されるべきである。これには以下が含まれる。

2. 経済関係の多様化

私見

中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、米国は依然として重要な経済パートナーだが、どちらにも過度に依存することは大きなリスクを伴う。これらのリスクを軽減するには、多様化した経済戦略が不可欠である。

3.戦略的ヘッジと外交的柔軟性

私見

米中関係を取り巻く不確実性を踏まえ、日本は戦略的ヘッジ戦略を追求すべきである。両国との緊密な関係を維持しながら、両国の対立(代理戦争、例:ロシアーウクライナ戦争)に巻き込まれることを回避する必要がある。そのためには、以下の点が必要である。

4. 国内政治経済改革

私見

結局のところ、日本がこの複雑な地政学的状況を乗り切るためには、「日本、及び日本人自身の内なる強さと原動力」にかかっている。そのためには、長期にわたる経済的・政治的課題への取り組みが必要である。

ビスマルクのアプローチ

不確実性と変化する同盟関係に直面している日本は、19世紀のドイツの政治家、オットー・フォン・ビスマルクの知恵に目を向けるべきである。ビスマルクの指針は、何よりもドイツの国益を優先し、自国の安全保障を直接脅かさない紛争への関与を避け、ライバル国との関係を慎重に管理することであった。 日本は、自国、自国民にとって何が利益となるのかを見極める必要があり、それを徹底しなければならない。

結論として、日本にとって最善の行動指針は、自立性の向上、経済関係の多様化、戦略的ヘッジ、そして国内改革という戦略を追求することである。日本は、自らの能力を強化し、外交政策において「柔軟かつ実践的」なアプローチを維持することで、伝統的な同盟国が信頼できない世界においても、21世紀の荒波を乗り越え、長期的な安全と繁栄を確保することを一番にするべきである。